価格:¥3,850 (税込)
素材 綿100%
サイズ 33×84cm
色 納戸色
備考 洗いによりサイズに若干の個体差があります。トップの画像は3枚ですが商品単品は1枚です。4枚目の画像は濃淡の違いで、納戸色は一番薄いタイプです。
奈良の室生下笠間で藍染めが始まったのは江戸時代。冬の農閑期に農家の人が自分で使うものを染めるようになり、最盛期には奈良県内に約25軒、室生村に5軒ほどの染め工房があったそうです。しかし化学染料の普及により藍染めは減少し、伝統的な製法を守っているのは実に奈良県内で1軒のみです。
伝統工芸士だった先代の義父について2年間修業をし、平成16年から「笠間藍染」の後継者になった井上加代さんが、4代目として130年以上続く紺屋の暖簾を守っています。昔からの手法で徳島県の「すくも(阿波藍)」を使って藍建てをしています。藍建てとはすくもを「染め壺」の中で発酵させ、染めに最適なpH管理をすること。発酵が進むと「藍の華」と呼ばれる泡が生まれ、そうなるとようやく染色できるようになります。
毎日かき回して、雑菌を殺しながら微生物を育てるのだそう。微生物が死なないように夏場は毎日、冬場は2日に1回必ず撹拌。温度や湿度にも気を使い、冬は床下に毎日もみ殻と炭を入れて保温をします。ゆえに一日たりとも休みがない大変な作業なのです。
染液に浸けて染め、水で洗い空気に触れさせることで鮮やかな青に。濃い色にするには何度も染めては洗いを繰り返す必要があります。昨夜は機嫌の良かった藍が、朝になると元気がない。気温や温度によってにわかに変調を来す藍は、赤ちゃんのようにデリケートで、まさに生き物のようだと。なかなか狙った色を出すのが難しく、今も毎日が挑戦と井上さんは仰います。
藍の魅力を一言でいうと「生きている」という言葉で言い表されます。
染めてからの数年は赤味を帯び、落ち着くまで5年ほどかかります。10年後には繊維の奥に入り込んで深みのある色が定着し、20年後にはいっそう冴えて鮮やかに美しくなります。
また、木綿、麻、絹どんな生地にもよく染まり、布の耐久性を増します。
微妙な色の濃淡で剛健にも上品にも表情を変えるのも魅力。
実用面でも虫や蛇を寄せつけないことから山や畑作業にも重宝されます。
天然で安全な消臭・抗菌作用もあると言われており、台所の手拭きや食器ふきにもおすすめです。私はお茶を淹れる際にも使っています。藍の色がお茶道具とも相性が良く引き締まる感じがします。
<取り扱いの注意>
・単独での手洗い、すすぎをお願いします。他の洗濯もの(特に淡色のもの)と一緒に洗わないでください。
・漂白剤及び漂白剤入りの洗剤のご使用はお避けください。
・洗濯後、弱く絞り、速やかに陰干ししてください。
・ぬれた状態で放置することをお避け下さい。
・初めから数度のお洗濯の際に、染めの工程で残留した色素が出ますが、何度かお洗濯を繰り返していただくことで、洗濯水が藍色に染まることは次第になくなってきます。押し洗い、こすり洗いで布地を揉むと色抜けしたり、色落ちが進みますのでご注意ください。
・直射日光のあたる場所に長時間放置することはお避けください。
・乾燥機のご使用、ドライクリーニングはお避けください。アイロンやスチームのご使用は中 温でお願いします。
※ネコポスは日時指定が出来ませんのでご注意ください。